VEILNOTESTOP

OUTSIDE THE STORY / 転換点

見たかったのは、新しい一枚だけではなかった

似た見た目の画像を試して気づいたのは、欲しかったのが新しい一枚だけではなかったことです。少し知っている人物が予想を少し越える次の一面を見せる。そのために、物語を持つ成人の架空キャラクターをつくろうと思った経緯を記録します。

公開
更新
目安
5分

※この記事は、VEILの物語世界の外側にある、非露骨な制作記録です。

以前好きだった人の、新しいものを見たくなることがありました。

前にはあったのに、もう新しくは増えない。探せる範囲で探しても、欲しいものは見つからない。最初は、ただそれが残念だっただけです。

それで、似た見た目の画像を試してみました。最初の一枚を見たときは、思ったよりよかった。こういうことができるのか、と少し驚きました。新しい一枚が見たかったのですから、これで目的はかなり果たせたようにも見えました。

何枚かつくってみました。最初のうちは、少しずつ違うものが出てくるのを眺めるのも楽しかったです。表情が違う。雰囲気が少し違う。それだけで、前にはなかったものを見ている感じがありました。

ただ、数が増えてくると、だんだん平板になりました。画像は増えているのに、見たいものが増えている感じはしない。次の一枚を見ても、前の一枚の延長に見える。何か違うな、と感じました。

最初は、もっと好みに近づければいいのかと思いました。けれど、その方向で考えるほど、自分が欲しかったものから少し離れていく気がしました。見た目が似ているかどうかだけを見ていると、画像の中の人が、だんだんただの見た目に見えてきたからです。

そこで、やっと気づきました。私が見たかったのは、似た顔の新しい一枚だけではなかったのだと思います。

以前から少し知っている人が、次にどんな一面を見せるのか。その人には、こちらが知っている雰囲気や、これまでに受け取ってきた印象があります。だから、その人が、こちらの予想から少しだけ外れた一面を見せると、ただ珍しいだけでは終わりません。「こういうところもあるのかもしれない」と、もう少し見てみたくなる。

完全に予想を裏切られることが面白い、という話ではありません。自分の中にあるその人のイメージから、ほんの少し先に進んだものが見える。その小さなずれに、私は気持ちを動かされていたのだと思います。

言われてみれば、当たり前のことかもしれません。私が惹かれていたのは、見た目だけではなかった。それまでにどんな印象を受け取ってきたか。そこに、自分がまだ知らなかったものが少し加わる。その順番があるから、次の一枚に意味が出てくるのだと思います。

これは、実在の人か二次元の人物かだけの話ではありません。見た目が近いかどうかだけでもない。その人について少し知っていることと、その人の物語が続いていると感じられること。その先で、こちらの予想を少し越えるものに出会えること。自分にとっては、そこが大事だったようです。

だから、物語を持つ成人の架空キャラクターをつくってみようと思いました。

一枚の印象が気に入ることは、もちろん大切です。一枚をつくるなら、そこは最初に目に入るところです。ただ、その一枚だけで終わらせずに、その人物がどんな人なのかを少しずつ考えていく。物語の中で、その人物の次の一面に出会える余地をつくる。そういう人物なら、同じ一枚でも見え方が変わるかもしれません。

最初から、立派な物語を用意する必要はないと思っています。まだ何者なのかも、全部は分からない。そのくらいでもいい。ただ、好きな見た目の向こうに、一人の人物がいると思えること。その人の次を、自分でも少し待てること。それがあれば、一枚を増やすことは、ただ数を増やすこととは少し違ってくるはずです。

第1回で書いたとおり、この連載で扱うのは成人の架空キャラクターだけです。実在の人を似せる方法や、誰かの写真を材料にする話は扱いません。私がここからやってみたかったのは、見た目をなぞることではなく、自分の想像から人物と物語をつくり、その人の次の一面を待てるようにすることでした。

次は、その人物に何を最初に与えるのかを考えてみます。名前なのか。見た目なのか。性格なのか。あるいは、まだ別の何かなのか。そこから、成人の架空キャラクターをつくる話を始めます。

← VEIL NOTES 一覧へ